はじめに
「ダイエットしても全然痩せない」「年齢とともに体重管理が難しくなった」そんな悩みを抱えているなか、最近SNSやメディアで話題になっているのが週1回の注射で体重管理をサポートする「マンジャロ(Manjaro)」という薬剤です。
今回は、海外の臨床研究をもとに、マンジャロの仕組みや肥満ケアにおける可能性、そして注意点をわかりやすく解説します。
※この記事は医療情報を参考にしたものであり、特定の医薬品の使用を勧めるものではありません。治療は必ず医師の指導のもとで行いましょう。
マンジャロとは?
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)とは、GIP/GLP-1受容体作動薬という新しいタイプの注射薬です。本来は2型糖尿病の治療薬として開発されましたが、体重減少効果が高く評価され、肥満治療への応用も研究されています。
GLP-1はすでに日本でもいくつか承認されていますが、マンジャロはGIPとGLP-1の両方に作用するのが特徴です。
海外の研究データ:SURMOUNT-1試験の結果
アメリカの医学誌『The New England Journal of Medicine』に掲載されたSURMOUNT-1試験では、マンジャロの体重管理効果が注目されました。
試験概要
- 対象:肥満または過体重の成人2,539人(糖尿病なし)
- 方法:週1回の皮下注射(チルゼパチド 5mg / 10mg / 15mg またはプラセボ)を72週間継続
- 主な評価項目:体重の変化、5%以上体重を減らした人の割合
結果(平均体重減少率)
- プラセボ:−3.1%
- 5mg:−15.0%
- 10mg:−19.5%
- 15mg:−20.9%
このように、用量が増えるほど体重減少効果が高まる傾向が見られました。
さらに、15mg群では90.9%の人が5%以上の体重減少を達成しています。
副作用や注意点は?
効果が高い一方で、胃腸障害(吐き気、下痢、便秘など)が副作用として報告されています。多くは軽度〜中等度で、時間とともに軽減するケースもありますが、
- 長期使用時の安全性
- 個人差による効果のばらつき
など、医師の管理のもとでの使用が大前提です。
日本での状況と今後の可能性
2023年11月、日本でも「マンジャロ」が2型糖尿病の治療薬として承認されました。(※肥満症への適応は現時点では保険適用外)
ただし、肥満に悩む人の医療的選択肢として注目されており、今後の動向が期待されています。
また、チルゼパチド以外にも同様の薬剤(セマグルチドなど)についても世界的に研究が進められています。
マンジャロに頼る前にできること
医療的アプローチは確かに心強いですが、やはり基本は生活習慣の見直しです。
- 食事バランス(高たんぱく・低脂質)
- 適度な運動(週150分を目標)
- 睡眠やストレスケア
こうしたベースが整ってはじめて、医療的手段がより効果的に働きます。
まとめ
マンジャロ(チルゼパチド)は、海外の臨床試験で高い体重減少効果を示した注目の薬剤です。しかし、すべての人に同じ効果が出るわけではなく副作用や使用条件に注意が必要です。だからこそ、安易に使うのではなく医師の判断と正確な情報に基づいた活用が大切です。
医療的選択肢はあくまで手段の一つ。まずは食事、運動、睡眠といった生活習慣を整えることが、健やかな体作りの基本になります。
引用
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